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がんばれない人間だったおれが32歳でマンガ家になれた理由。その2.

〜前回のあらすじ〜

マンガ家になる努力をせずに10年たったやじまはCG学校に通うも身にならず、
ぼーっとしていると、初期の「チコちゃんに叱られる」を手伝わないかとCGの先生に誘われて…

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先生はNHKで働くCGスタッフで、
僕に「番組のCGを手伝わないか」
と声をかけてくれた。

それを言われたとき、
おれは少し迷った。

おれのCGの技術はとてもでは
ないが使い物にならなそうだ。
他に出来る人はクラスにいくらでもいるし。
いや、見栄をはった。
おれは一番出来が悪かった。

しかし、なぜ誘ってくれたのだろう?
もしかして、自分ではわからない
隠れた才能を見抜かれたのかもしれない。

ありうる。自分でも気が付かないだけで、

能ある鷹爪しまいっぱなし、
だったのかもしれない。


半分期待しながら
「え、何で僕に…?」と聞くと、

先生は

「正直、CGの技術は全然ないですが、
人柄を信用しています」

と言った。

人柄。町の惣菜屋さんならいざ知らず、
CGという技術畑でそんなことがあるのか。

実はコルクでマンガを描くように
なってから全く言われなくなったが、
3年くらい前まで

「好青年」「人当たりがよい」「いい子」

ともっぱらの評判だったのだ。
おれは思うけど、いい人、というのは感情がオモテに表れていない人間に言うことだ。

でも、その時は素直に

「三国志の劉備玄徳みたいな
徳がある人間だったのか、おれは。」
と思った。受けることにした。


その後、オフィスでかんたんな面通しがあり、

森本レオに似た偉い人と少し話した。


フェイシャルという、
表情のアニメーションを
担当することになりそうだったので、
おれは自分で描いた渾身の
表情のイラストを何枚か持参した。

森本レオは、「ああ、」と、

「道端に猫がいると思ったものが
実は風で膨らんだビニール袋だと
気が付いたとき」のような
リアクションをした。

そして、おれは、
仕事が始まるまで待機することになった。

とうとうおれもCGクリエイターになる。
船出だ。ルフィも海賊王になる船出の日、

こんな気持ちだったろうか。

CG王におれはなる。

そうだ、海外で働く時のために
英語をやっておいたほうがいいかも知れない、
だけど、英会話はいやだから
洋書を読んだらいいかもしれない、
などと考え始めていた。



数日して、先生からLINEがくる。



その道に踏み込む準備は出来ている。
マンガはもうやめた。
CGクリエイターとしての成功を目指す。






「やじまさん、すみません、
あの企画、ちょっと解決しないといけない
問題があり、延期になりました。
再開時期は未定なんです。」





延期になった。

がんばって面接を受けたわけでもないから
悔しがりきれない。


なんとなく、気持ちが抜けて、
ピクサーになりたい気持ちや
CGに対する思い入れもさめてしまった。
そもそも好きじゃなかったし。



すると自然と、頭を持ち上げてきたのは
「やっぱり、絵で食べていけないか、
もう一度試してみようかな」
という気持ちだった。


クラウドワークスやランサーズ、
といったクラウドソーシングのサイトなら、
単価は低いけどイラストの仕事を受けて
それをたくさんやりまくれば
ギリギリ食べていけるかも知れない。
そう思った。

奥さんにそういうと、
ちょっとガッカリしたようでありながら、
でもほんの少し嬉しそうに、
「やるなら最後だと思ってやりなよ」
と言った。

奥さんは、ずっとおれのやることを
信じてくれている。

愛はここにある。7万2千円の家賃の家に。



そうして、コールセンターのアルバイトをしながら
単価の低いイラスト仕事を受け始めたある日、
中学生の頃からの友人シマから連絡がきた。



シマとは中学からの友人で、
数年前までお互いフリーターで、
「暇だから会おう」といって
一緒に公園でトーマスの
チューインガムを噛んでいた仲である。


「おれの仕事、手伝ってくれない?
今やってるアルバイトと同じだけ払うよ」


数年前まで一緒に公園で
世間に文句をいっていたのに。

急にどうしてそんなお金ができたんだ…?

おれはその友人と会うことにしたー



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長くなってきたので、今日はここまで

じゃあね、続きはまた後日…。


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2/8の日記:

コルクに行かない日で、
朝はいつもより遅く8:30ころ起きた。

朝ごはんにセブンの「ラングドシャ」1つと
コーヒーを飲む。

お昼に奥さんとケンタッキーに行き、
チキンフィレサンドとカリッとした
チキンを食べる。

奥さんが食文化全般に興味があり、
おれも単に食べることが好きだから
研究のためにたまに外食するのだが
突発的に「クリスチアノ」という店に
ポルトガル料理を食べに行くことにする。

ほしい本があったので早めに出て
池袋の三省堂に寄る。
昨日の食事のときに
ホリプーに勧められた
ロジェカイヨワの「遊びと人間」
を買う。
西武クラブカードのポイントが
あったので800円安くなった。

池袋三省堂には羽賀さんの色紙と、
ホリプーの色紙、
おれの猫のおふくちゃんの単行本があった。

ふむさんのりさこの単行本が出たら、
「ラッキーズ棚」など出来たらいいな、
などと思う。

19:30すぎにクリスチアノにつく。

フムスのアーモンド和え、
大根とゴルゴンゾーラのサラダ、
うさぎのオーブン焼き、
魚介のカタプラーナ煮込み、
アプリコットとトフィーのアイスを食べる。

隣に座ってたカップルが、
普通に話しているのだが妙に
「自分たちは楽しんでいます」
アピールをしているように感じた。

単にうるさい訳でもなく、
中学のときに男子同士で話しているのに
クラスにいる女子を意識して話す
ような、不思議な感じ。

明治神宮前駅まで歩いて帰る。

飲むヨーグルトを飲む。

寝る。

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んモおお~(牛)
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マンガ家です。元書店員。 noteはマンガをアーカイブするのにつかっていす。エージェント会社コルク所属。 通販→https://corkshop.stores.jp/?category_id=5d720262e4fc3943a9683fa5
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