チェンソーマンに登場した岸辺。
作中では最強のデビルハンターとして登場しました。
デンジ、パワーをデビルハンターとして「使える」ようにするために派遣された男は作中でどういった活躍をしたのでしょうか。
デビルハンター岸辺という男の特徴。
自身を最強のデビルハンターと称しており、相当な自信家であることが伺えます。
その実力は発言に見合ったものであり、機転、パワー、スピード全てを兼ね添えた戦闘スタイルでデンジとパワーを指導しました。
相当な手練れである、魔人ガールズも一蹴していることから契約悪魔をのぞいた戦闘力は相当に高いと伺えます。
豊富な経験値も強力な武器
また、経験値の豊富さも能力の高さの一因として考えることが出来ます。
年季の入った戦闘経験から来る状況を判断する能力はピカイチで、ピンチに駆けつけてはいぶし銀の活躍を見せています。
また思い切りの良さもあり、マキマを爆撃奇襲するという、奇策に打って出たりもしました。死人が多いチェンソーマンという漫画で最後まで生き残った数少ない猛者です。
若いころの岸辺
作中では、若いころの描写が巻末のおまけで描かれていますが、まだまだ未熟さが感じられます。
口元の傷はデビルハンターになって間もないころについた傷のようです。
しかしそれいこう、目立った外傷が見当たらないことからデビルハンターとして、大きな教訓を得たのだと考えられます。
岸辺の戦闘スタイルについて。
作中序盤から活躍している岸辺の戦闘スタイルは詳しく描かれていません。
派手な戦闘はなく、格闘シーンのみが描かれており、必殺技のようなものも見当たりません。
しかし、契約されている悪魔は描写されています。そこから戦闘スタイルを予想できます。
岸辺の契約悪魔
- 爪の悪魔
- ナイフの悪魔
- 針の悪魔
となっています。
クァンシとの戦いにおいて、ナイフを何もない所から出していたので、この時に力を使っている思われます。
またほかのシーンでもナイフを多用しているので、基本的な戦闘はナイフをメインに組み立てると考えられます。
そう考えると無駄な戦いは好まずに淡々と与えられた仕事をこなす、仕事人タイプであると考察できるかもしれません。
ですから戦闘スタイルはより少ない力で速く結果を出す「無駄を省く」タイプではないでしょうか。
現場などでは、一番重宝されるタイプです。
巻末おまけからわかる根拠
岸辺が、無駄を省く仕事人タイプと書きましたが、
その根拠としては
上のコマの描写から分かります。
出会って間もないころは、大きな刀を持っていましたが、デビルハンターとなって半年も立つとその武器を捨てているのです。
クァンシとバディを組んで、自分の身の程を知ったのか分かりませんが、経験の中で自分に合っている悪魔と契約したのが伺えます。
そして、戦い続けていく中で今のスタイルの落ち着いたのではないでしょうか。
魔人ガールズの発言
魔人ガールズの発言に
コイツの体には支払える代価が残っていない
というセリフがありましたが、若いころはいろいろと強力な悪魔と契約してきたのかもしれません。
田舎から出てきた不良が、ちょっといい車を買う様に、身の丈に合わない悪魔と契約したのかもしれません。
岸辺のバディはクァンシでしたが、惚れていたことが描かれています。
そうなると、良いところを見せたくて派手な悪魔と契約をしたくなることも考察することが出来ます。
しかし、使い続けているとそのリスクの大きさや使い勝手の悪さに気づきますし、悪魔との戦いは基本的に命のやり取りです。
その結果、最終的にローリスクで使うことが出来る、
ナイフ、爪、針
と言った暗器系の悪魔を頼るようになったのだと考えることが出来ます。
実際に、そのスタイルは完成されているようです。
強力であるはずの魔人ガールズは岸辺によって瞬殺されていました。
結局は能力は使いようなのかもしれません。
岸辺が持っているデビルハンター観
岸辺はデビルハンターの素質について作中で何度も語ります。
明確に語ったことはありませんが、
人間として明らかにおかしい奴の方が向いている
という描写がされています。
このセリフは岸辺だけでなく、他の人間も語っていました。例えば、姫野さんもそういったセリフを残しています。
岸辺のデンジ評
そういった中で、岸辺はデンジのことを誰よりも評価しているようです。
お前は俺があってきたやつの中で、一番デビルハンターに向いている。
デンジの戦いは自身の体をいとわない、狂気的な戦い方です。一言で言えばネジが外れています。
悪魔はめちゃくちゃ強いので、そういった捨て身の攻撃をしなければ倒せない相手が多いです。
しかし、岸辺はそういった点よりも、デンジの思考回路の方を評価しているような気がしました。
デンジは仲間が殺されたりしても、ものすごく立ち直りが速いです。それに、数秒前までは同情していた悪魔にも一切の感情を捨てて攻撃が出来ます。
それは、同胞であったアキを自らの手で殺めた点からも分かります。
デビルハンターはある種のサイコパスにしか務まらない仕事なのでしょう。そういったことも踏まえて、岸辺はデンジを評価しているのだと思います。
デビルハンターがサイコパスにしか務まらないワケ
これは作中において、答えが出ていたりしますね。
悪魔は人間の恐怖を糧に強くなる
ここが全てです。
悪魔を倒すためには、相対する人間が恐怖しないことが一番の特効になるのです。
そういった中で、悪魔退治に最も向いていないのは、真面目な人間です。
そういった人間は目の前の悪魔に恐れることはありませんが、一緒に引き連れた仲間が殺されるかもしれないとか、
もしかしたら、目の前の悪魔は良い奴かもしれないそんなやつを殺せやしない、とか思ったりすれば、目の前の悪魔が強くなってしまうのです。
真面目で、感情が豊かな人間は精神の起伏が激しく、戦績も安定しない。
一方で、感情の変化に乏しく、自分の欲望に忠実な人間は悪魔を強くするようなことはしません。
どれだけ相手の悪魔に好意を抱いていても、殺さなければならない状況ならすぐに攻撃することが出来るのです。
そういった点を踏まえて、デビルハンターはサイコパスにしか務まらない職業なのだと考えられます。
デンジの戦いを振り返ってみると、
主人公デンジの戦いを振り返ってみると、敵に情けを懸けるシーンが多くあります。
しかし、やらなければならない場面ではすぐに攻撃に転じ、平気で命を奪ったりしているのです。
私情と現実を切り替える力がものすごく高いです。
また、敵に倒されてもケロッとしていますし、昨日まで笑いあった仲間が悪魔に命を奪われても大きなダメージは負っていません。
唯一、兄貴分であるアキが絶命したときに、葛藤を抱いていましたがマキマを倒した直後には立ち直って、すぐに歩き出しています。
恐ろしい、精神力ですがこれは、精神力というよりはデンジ本来の気質なのだと思います。
はっきり言って、サイコパスでしょう。
デンジとサイコパス
サイコパスの特徴としては自分の利益のためならば他者がどうなってもいとわないところや、人の不幸に対して鈍感という点が挙げられます。
この仕事につく人は命を預かる外科医や企業家と言ったリスキーな選択を躊躇なく求められる人が多いのですが、デビルハンターも似たようなものです。
そういった点を岸辺は誰よりも評価しているのだと思います。
岸辺の師匠としてのやり方。
岸辺は師匠としてデンジとパワーを指導していました。
その時のやり方も、かなり斬新でした。
俺は最強のデビルハンターで、その俺を倒せる悪魔は最強なわけだから、
俺を倒せるようになるまで毎日お前たちを狩り続ける。
というものです。
デンジは武器人間、パワーは血の魔人。
血さえあれば、無限に蘇ることが出来る2人だからこそできた指導法です。
しかし、こんな指導法をされれば、普通は異を唱えるハズですが、2人ともすぐに受け入れているところを見るとやはり、この2人は生粋のデビルハンターだったのだと思わされます。
岸辺の指導法の結果。
しかし、この指導法は二人にあっていたようです。
次第に戦い方を覚えた二人は、岸辺に迫ることが出来るようなりました。
最終的には岸辺の頬に切り傷を一つ作れるようになったのです。
魔人ガールズ4人で、岸辺に全く歯が立たなかったことを考えれば、相当な実力者に生まれ変わったと言えます。
具体的には今までは力推しだった、2人の戦闘に機転が加わるようになったのです。
追い詰められた獣は頭を使うもんだな
とは、実際に岸辺が語っていたセリフです。
デンジの活躍の影には・・
特にデンジはその後に、多くの強敵と戦うことになりますが、機転を利かした戦い方を見せています。
サムライソードにやられた後に岸辺に指導してもらったのですが、それ以降の戦い方にはしっかりと頭脳戦が描かれているのです。
サムライソード(リベンジ)、レゼ、人形の悪魔、マキマ、そのすべての戦いに奇策が用いられていることを見るに、岸辺の指導は実戦向きであることが分かります。
最終的な岸辺
チェンソーマンは11巻までですが、最終的に岸辺は情に厚い人間になった気がします。
デンジとパワーを指導していると、
この年になるとぼけてきて、おもちゃにも情が湧く
と語っています。
最終巻においては、デンジの保護者のような立ち位置で語っていることから、このキャラクターも精神的には変化していると言えるでしょう。
最後に
今回はチェンソーマンの岸辺について語りました。
現実主義者で冷たい印象を受けますが、その冷たさや仕事に対しての冷徹さが、当作品においてはかなり頼もしいと感じれました。
ピンチに駆けつけてくれた時は、本当に心強いキャラクターです。そういったことも踏まえて、今回は考察してみました。
愉しんで頂ければ幸いです。